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理科教育への協力(5ページ) 分子研リポート2012 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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4-6 理科教育への協力

分子科学研究所は,愛知県や岡崎市という地域性を重視して,小学校から高等学校までの様々なレベルで理科教育 への協力を行ってきている。岡崎市内の高等学校には,文部科学省に応募して採択されたスーパーサイエンスハイス クール(以下 S S H と略す)研究指定校,愛知県教育委員会より指定を受けた愛知スーパーハイスクール研究校,さ らに,科学技術振興機構(J S T )のサイエンスパートナーシッププロジェクト(S P P)に応募して採択された S P P 実 施校など,理科教育の充実を目指して独自の取り組みを行っているところも多い。分子研は,岡崎の3研究所で連携 しつつ,もしくは単独で,これらの高校の活動に協力している。一方,小中学校を対象とした事業としては,出前授業・ 職場体験などが挙げられる。また,教員対象の支援も行っている。各事業について,本年度に実施されたものを中心 として,以下に記載する。

4-6-1 スーパーサイエンスハイスクール

愛知県立岡崎高等学校が2002〜2005年度に S S H 指定校となったことを契機として,分子科学研究所は同校の S S H 事業に協力してきた。2007年度には,再度,指定を受け,5年間にわたる第二次 S S H 事業がスタートしている。 これまでは,スーパーサイエンス部の支援が主な活動であったが,2011年度に同校が「コア S S H」としての指定を 受 け た の に 際 し て, 他 校 も 含 む 理 科 教 員 の 研 修 を お 願 い し た い と の 依 頼 が 分 子 研 に 寄 せ ら れ た。 こ れ に 対 応 し て, 2012年2月4日には N M R の原理と応用に関する研修会を実施し,県内から8名の高校教員が参加して午前・午後 を 費 や し て 講 義 な ら び に 実 習 を 受 講 し た。 本 年 度 は, 2013 年 3 月 9 日 に,「 分 子 を 探 る, 放 射 光 の 科 学 」 と し て UV S OR において研修会を実施予定である。

岡崎高校への支援としては,「Tea’n’Talk」と題して20名程度の生徒と英語で語り合うイベントに,当研究所の外 国人博士研究員が講師として参加した。現在の研究から留学生活の実情までを英語で紹介した後,自由なディスカッ ションを実施した。周到に用意された内容で高度な研究も分かり易く説明されていたことが,高校サイドから高く評 価された。また,全ての参加者から活発に質問があり,英語コミュニケーション研修として大変に有意義であったと の評価も受けた。

4-6-2 あいち科学技術教育推進協議会

S S H 研究指定校,愛知スーパーハイスクール研究校,さらに,S P P 実施校である愛知県下の16高校が,2009年 度に「あいち科学技術教育推進協議会」を立ち上げた。これは,文部科学省指定 S S H 中核拠点育成プログラムの一 貫として,S S H で得た知識や組織力を活用し,全県的な取り組みとして理数教育の推進を目指したものである。当協 議会は,毎年「科学三昧 i n あいち」というイベントを開催している。当イベントには,県内の多数の高校から総数 300名以上の参加者が集い,科学や技術についての先進的教育活動の紹介が行われる。第1回は2009年12月24日 に岡崎コンファレンスセンターにて開催され,分子研からは「酸化物半導体薄膜を利用した光波干渉と光発電」「デ スクトップ電子顕微鏡で観るナノの世界」と題した2つの体験型ブースを出展した。第2回は,2010年12月24日 にウィルあいち(名古屋市)にて開催された。第3回は,再び岡崎コンファレンスセンターにて2011年.12月27日 に開催され,この際,分子研では研究所紹介の展示ブースを出展した。また,高校生による英語でのプレゼンテーショ ンに対して,所内の学生・研究者がコメンテーターとして指導・助言を行った。第4回も同じく岡崎コンファレンス センターにて,2012年12月26日に実施された。研究所紹介の展示ブースでは,3D分子シミュレーションにイン タラクティブに参加できる体験展示や,大型スクリーンに投影したスーパーコンピューターによるシミュレーション

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4-6-3 国研セミナー

このセミナーは,岡崎3機関と岡崎南ロータリークラブとの交流事業の一つとして行われているもので,岡崎市内 の小・中学校の理科教員を対象として,岡崎3機関の研究教育職員が講師となって1985(昭和60)年12月から始 まり,毎年行われている。

分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。

回 開催日 テーマ 講 師

2 1986.. 1.18 分子研の紹介 諸熊 奎治 教 授

3 1986.. 6.. 7

シンクロトロン放射とは

 (加速器・分光器・測定器の見学)

渡邊  誠 助教授 春日 俊夫 助教授 6 1986.10.. 4 人類は元素をいかに利用してきたか 齋藤 一夫 教 授

9 1987.. 6.13 レーザーの応用について 吉原經太郎 教 授

12 1987.. 9.26 コンピュータで探る分子の世界 柏木  浩 助教授 15 1988.. 7.. 2 目で見る低温実験・発光現象と光酸化現象 木村 克美 教 授

18 1988.10.29 人工光合成とは何か 坂田 忠良 助教授

21 1989.. 6.24 星間分子と水—生命を育む分子環境— 西  信之 助教授 24 1989.10.21 常温での超伝導は実現できるか 那須奎一郎 助教授 27 1990.. 6.23

目で見る結晶の生成と溶解

—計算機による実験(ビデオ)—

大瀧 仁志 教 授

30 1990.10.20 電気と化学 井口 洋夫 所 長

33 1991.. 6.22

自己秩序形成の分子科学

—分子はどのようにしてリズムやパターンを作り出すか—

花崎 一郎 教 授

37 1991.12.14 からだと酸素,そしてエネルギー:その分子科学 北川 禎三 教 授 39 1992.. 7.. 7 サッカーボール分子の世界 加藤 立久 助教授

42 1992.11.13 炭酸ガスの化学的な利用法 田中 晃二 教 授

45 1993.. 6.22 化学反応はどのように進むか? 正畠 宏祐 助教授 48 1993.10.. 1 宇宙にひろがる分子の世界 齋藤 修二 教 授

51 1994.. 6.21 分子の動き 伊藤 光男 所 長

54 1995.. 6.20 生体内で活躍する鉄イオン—国境なき科学の世界— 渡辺 芳人 教 授 57 1996.. 6.28 分子を積み上げて超伝導体を作る話 小林 速男 教 授

60 1997.. 6.13 生体系と水の分子科学 平田 文男 教 授

63 1998.. 6.12

電子シンクロトロン放射光による半導体の超微細加工

—ナノプロセスとナノ化学—(UV S OR 見学)

宇理須恆雄 教 授

66 1999.. 6.. 8 レーザー光で,何が見える? 何ができる? 猿倉 信彦 助教授 69 2000.. 6.. 6 マイクロチップレーザーの可能性 平等 拓範 助教授 72 2001.. 6.. 5 ナノメートルの世界を創る・視る 夛田 博一 助教授 75 2002.. 6.. 4 クラスターの科学—原子・分子集団が織りなす機能— 佃  達哉 助教授 78 2003.. 6.24 科学のフロンティア—ナノサイエンスで何ができるか? 小川 琢治 教 授 81 2004.. 6.22 生命をささえる分子の世界—金属酵素のしくみを探る 藤井  浩 助教授 84 2005.. 6.28 環境に優しい理想の化学合成 魚住 泰広 教 授 87 2006.. 6.20 電気を流す分子性結晶の話 小林 速男 教 授

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90 2007.. 6.15 光で探る生体分子の形と機能 小澤 岳昌 准教授 93 2008.. 6.17 宇宙の光を地上で作る—シンクロトロン光源— 加藤 政博 教 授 96 2009.. 6.. 9 化学結合をいかに教えるか 平本 昌宏 教 授 101 2010.11.. 9

生命の営みと「水」

—化学・物理の理論とコンピュータで探る分子スケールの生命現象—

平田 文男 教 授 104 2011.11.. 1 原子のさざ波と不思議な量子の世界 大森 賢治 教 授 105 2012.. 6.. 5 電気はどうして流れるのか 中村 敏和 准教授

4-6-4 小中学校での出前授業

岡崎市内の小中学校を対象に,物理・化学・生物・地学に関わる科学実験や観察を通して,科学への興味・関心を 高めることを目的に,岡崎市教育委員会や各小中学校が企画する理科教育に協力している。

分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。 岡崎市教育委員会(出前授業)

対象校 開催日 テーマ 講 師

六ツ美北中東海中 2002...1.25 光学異性体とその活用 魚住 泰広 教  授 東海中 2003...2.18 計算機を使って分子を見る 谷村 吉隆 助 教 授

常磐南小 2005...2...7 光の不思議 岡本 裕巳 教  授

東海中 2006...2...8 モルフォ蝶とナノ化粧品の秘密 小川 琢治 教  授 美川中 2007...2.26 生物から学ぶ光と色 小澤 岳昌 助 教 授

矢作西小 2007.12...4 原子の世界 櫻井 英博 准 教 授

六ツ美北部小 2008.10.10 ミクロの世界の不思議 平本 昌宏 教  授

矢作中 2009.12...4 分子と光の秘密 平本 昌宏 教  授

岩津中 2010.10...6 分子と光の秘密 平本 昌宏 教  授

東海中 2010.11.30 電気を流す物ってどんな物? 中村 敏和 准 教 授 岩津中 2011...7.11 電気を流す物の性質,磁界のはたらき 中村 敏和 准 教 授

河合中 2011.10.17

計 算 機 シ ュ ミ レ ー シ ョ ン で 見 る 原 子・ 分子の世界

伊藤  暁 助  教

常磐中 2011.10.19 光の不思議 寺内かえで 技術職員

六ツ美中 2012...1.17 魔法の物質「触媒」ってなんだろう? 唯 美津木 准 教 授

竜南中 2012...1.27 分子と光の秘密 平本 昌宏 教  授

矢作北中 2012...2.14 目で見えないものを見る光 岡本 裕巳 教  授 額田中 2012...6.21 植物から学ぶ人工光合成 正岡 重行 准 教 授 岩津中 2012...6.29 魔法の物質「触媒」ってなんだろう? 唯 美津木 准 教 授

甲山中 2012...7.11 分子と光の秘密 平本 昌宏 教  授

竜南中 2012.10.19

計 算 機 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 見 る 原 子・ 分子の世界

伊藤  暁 助  教

矢作中 2012.11...8 光と分子 長坂 将成 助  教

城北中 2013...2.12 小さすぎる世界を覗いてみよう 鹿野  豊 特任准教授

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岡崎市立小豆坂小学校(親子おもしろ科学教室)

回 開催日 テーマ 講 師

1 1996.12..5 極低温の世界(液体窒素) 加藤 清則 技官

3 1997.12..4 いろいろな光(紫外線,赤外線,レーザー光) 大竹 秀幸 助手

17 2004.11.30 波と粒の話 大森 賢治 教授

23 2007.11.27 身の回りにも不思議はいっぱい 青野 重利 教授

4-6-5 職場体験学習

岡崎市内及び近隣の中学校及び高等学校の要請により,職職場体験学習として中・高生の受け入れに協力している。

年度 受入件数 参加者数 見学受入機関名

2007 5 10

岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 愛 知 県 立 豊 田 西 高 等 学 校, 岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 豊 橋 市 立 中 部 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 南 中学校

2008 4 12

岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 豊 川 市 立 音 羽 中 学 校, 岡 崎 市 立 六ツ美中学校,岡崎市立竜南中学校

2009 4 8

岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 豊 川 市 立 音 羽 中 学 校, 岡 崎 市 立 東海中学校,岡崎市立竜南中学校

2010 4 9

岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜南中学校,豊田市立高岡中学校

2011 6 7

豊 田 市 立 猿 投 台 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 岡 崎 市 立 常 盤 中 学 校, 岡 崎 市 立 額 田 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 南 中 学校,豊田市立藤岡中学校

2012 4 12

岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 岡 崎 市 立 岩 津 中 学 校, 岡 崎 市 立 美川中学校,岡崎市立額田中学校

4-6-6 その他

(1) 岡崎市小中学校理科作品展

岡崎の3研究所は,岡崎市小中学校理科作品展に輪番(原則として3年に1回)でブース出展を行っている。分子 科学研究所は,2007年にパネル展示のほか,子どもたちが色素増感太陽電池の作製や酸化チタンカラフル塗装を体 験できるブースを出展した。2009年には,一般公開の宣伝と未来の科学者賞の案内を行った。2010年は,常設展 示室から3つの体験型展示物(ローレンツ力の実験,光の波長とモノの見え方,アンジュレータの磁石を使った実験) を設置し,来場者に体験していただいた。2012年には,一般公開の宣伝とともに,3D分子シミュレーションにイ ンタラクティブに参加できる展示を行い,多くの子どもたちに参加して頂いた。

(2) 未来の科学者賞

岡崎3機関では,2009年度より理科教育並びに科学の将来の発展に資することを目的とし,豊かな発想や地道な 努力の積重ねなど特色のある自由研究を行った児童又は生徒を褒賞するため,岡崎市小中学校理科作品展に出展され た自由研究課題の中から,岡崎3機関の各研究所5名ずつの計15名により構成される選考委員会により優秀者を選 出し,未来の科学者賞を授与している。賞の運営は一般公開を行う研究所が持ち回りで行っており,分子科学研究所

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においては,2012年10月20日の一般公開日に,選考委員会により選出された小学生8名,中学生2名の計10名 の受賞者に対し,トロフィー,表彰状及び記念賞品の贈呈による表彰を行った。

(3) 地域連携「生徒作品表彰」

愛知教育大学附属岡崎中学校による写生会が毎年度,岡崎3機関において,「建物の配置や組み合わせの美しい自 然科学研究機構を写生する」ことを目的として行われ,同校の生徒に対して岡崎3機関と触れる機会を提供している。 この写生会は,2004年度の自然科学研究機構の創設以前より,毎年度受け入れている。この写生会をきっかけに, 岡崎3機関を地域において身近な存在として感じてもらう機会として,2011年度から,同校の教育活動の一部であ る写生会における優秀者を岡崎3機関として表彰し,同校における生徒の教育の賛助となるよう,同校の協力の下, 賞状等を贈呈している。2012年度は,7月に同校の式方式により表彰を行った。また,岡崎市立竜海中学校では, 夏休み自由研究における理科作品の優秀者を10月に,さらに,岡崎市立三島小学校では,親子作品展における優秀 者を2月に,いずれも同校の協力の下,岡崎3機関として表彰した。

参照

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